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竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎
原子力バックエンド研究, 7(1), p.11 - 16, 2001/03
温度によって高分子ネットワーク構造が変化する感温性高分子ゲルを用いた新規なゲル/液抽出法を提案した。N-isopropylacrylamide(NIPA)に2-methacryloyloxy-ethylacidphosphate(MR)を共重合した感温性ゲルを合成し硝酸塩水溶液中のAm(III)抽出を行った。Am(III)の分配比は高温で大きく、温度低下によってゲルが体積相転移し膨潤すると低下した。3~40の間の繰り返し実験では、Am(III)の抽出と放出を安定して行うことができた。抽出機構は、Am+3R-OH(R-O)Am+3Hであり、40の抽出定数は3の約3倍であった。拡散係数は40,3いずれも10m/s程度であり、抽出クロマト樹脂と同等であった。また、8/minの速い温度変化に対しても良好な追従性を示した。これらの結果は、感温性ゲルを用いたゲル/液抽出法がAm(III)抽出・回収に利用可能であることを示している。
竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎
化学工学シンポジウムシリーズ74; 金属のリサイクルおよび環境問題, p.89 - 95, 2000/05
温度変化によって高分子ネットワークの配置が変化する感温性高分子ゲルを用いたゲル/液抽出法を提案した。N-methacryloyloxyethylacidphosphate(MR)を共重合したN-isopropyl-acrylamide(NIPA)ゲルを合成して、硝酸イオンを含む水溶液中の希土類元素(La(III),Sm(III),Eu(III))とアクチノイド元素(Am(III))の抽出実験を行った。ゲル/液間の各金属イオンの分配比は、温度の増加に伴って増加した。すなわち、金属イオンはゲルの収縮状態(37以上)でゲルに抽出され、温度低下に伴う膨潤状態への体積相転移によって放出された。この時の収縮状態における抽出定数は膨潤状態の3倍以上の値を示した。また温度スイング操作を繰り返した結果、安定にこれら金属イオンの抽出・放出を行うことができた。これらの結果は、感温性ゲルの相転移現象が希土類元素やアクチノイド元素の抽出・回収に利用できることを示唆している。